【四国遍路】宴【38日目】

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昨日は結局この旅で最長の9、10時間ほど寝てしまった。朝は標高が1000m超えてるだけあってやはりとても寒かった。早く体を動かそうと思い、7時頃に雲辺寺の通夜堂を発つ。

雲辺寺から下山を始めるとすぐに香川県の県境に差し掛かる。いよいよか、と感慨深くなる。

グッバイ愛媛!いい出会いがたくさんあった。

ハロー香川!涅槃の道場ではどんな出会いが待っているのだろうかワクワクする。

下山中は涼しいというより寒かった。

そういえば世捨て人なので曜日感覚も月感覚もなかったが、今日から6月である。僕の誕生月だ。もうすぐ25歳になる。そんなことはいいとして、とりあえず紫陽花が綺麗だった。

納経所の方が言われた通り、雲辺寺から3時間弱で67番大興寺に到着。

香川と言ったらやはりUDONである。讃岐の国、うどん県、ひたすらうどんを食べて行こうと思う。地元の方が行くようなお店に入り、3玉440円の冷たいおうどんを頂く。

コシが強く美味しかったのと、このお店の女将さんが愛想の塊みたいな接客をしていて、とても心地よいなと思った。お接待で冷たい麦茶をペットボトルに詰めて頂き、お礼の気持ちとしてお札をお渡しし、店を後にする。

この辺りはお寺が密集している。68.69番のお寺なんかは同じ敷地内にあり、納経も一気に2つ分やる。まさに流れ作業である。

そして一応69番観音寺に着いたので約束通り久保さんに電話をする。「とりあえず適当に歩いてて、71向かう辺りでまた連絡下さい。」とのことだっまので次のお寺に向かうことにする。

あっという間に70番の本山寺に到着。

このお寺で参拝中に「ヤナギさーん!」と後ろから声をかけられる。誰かと思って振り返ればキング久保である!別れた後のことを話したりしつつ今日の野宿場所はまだ決めていないことを告げると、「うち泊まりますか?」とお誘いを受ける。お風呂も洗濯もコンセントもあり、布団で寝られるとのことだったので、野宿遍路にとっては旅館となんら変わりがない。ありがたくお言葉に甘えつつ今日はここで打ち止めをし、もう乗り慣れた感のある久保さんの車に乗り込む。

――数分後

ジュュュウウゥゥゥゥッッっつつつッッッ!!!!

ピュロロロロロロロロォォッ!!!!!

変な奇声が飛び出るくらい美味かった。今世界で1番食べたかった焼肉である。そういえば久保さんに今1番食べたいものの話をした気がするが覚えていてくれたのか。あなたが神か。

焼肉を食い、酒を飲み、紫煙を燻らせ、ただの宴である。

――数十分後

ピュロロロロロロロロォォッ!!!!!

在宅介護をしなくなり使わなくなったという家が3棟くらいあり、そのうちの1つの離れを使わせて頂いた。お風呂も洗濯もさせて頂き、夕食は焼肉のお接待である。本当に旅館に泊まっているのとなんら変わりがない。このお接待の数々にせめてもの気持ちとして、以前ご縁で頂いた、金色と錦のお札をお渡しした。

納め札は四国を何回廻ったかで色が変わり、金色は50回から錦は100回目からであり、信心深い人には大変ご利益があるものらしい。僕自身はあまり信心深いわけでもなく、こう言ったらアレだが何かカードゲームみたいだなと思ってしまったので、少しでもご利益を感じる人の手元に置いてあったほうが良いだろうという想いもあった。

その後、何だかんだ4日目になるサカズキを酌み交わし、楽しい夜を過ごした。図々しいかもしれないが、完全に香川にもう1つの家ができた気がした。

布団で寝られるのも久しぶりだ。ブログを書こうと思ったが、布団の心地良さに負けて、電気も消し忘れたまま、いつのまにか眠りに落ちてしまっていた。

【支出】飲食費440円、140円

【歩行距離】26キロ

【参拝霊場】67.68.69.70