【献本】鬱に離婚に休職が…(玉村勇喜)

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10月に献本はして頂いていたのですが、書評がだいぶ遅れてしまいました。

玉村さんすいませんm(_ _)m

献本いただいた本はこちら。

【鬱に離婚に休職が… 著:玉村勇喜】

タイトルの通り、鬱・離婚・休職を経験した著者の自叙伝的エッセイです。

それでは書評というか、この書籍から僕が学べたことをシェアしたいと思います。

 鬱かどうかはグラデーション

まず、著者も述べているが、鬱病患者は誰しも、「まさか自分が……」とボヤくんだそうです。

何度も言っているが、本当にいつ自分がなってもおかしくないことを自覚すべきですよね。

ただ人間って利己的で独善的な一面があると思ってて、

「成功者になれるかもしれない!」と、誰もが一度は夢想するんだけど、

「自分が鬱病になるかもしれない」とか、マイナス方面の夢想はしないもんなんですよね。

実際は、成功者になる確率よりもずーっと鬱になる確率のほうが高いのに。ね。

ちょっとしたボタンの掛け違いがあるかないか。

それはどんなに注意しても、心の問題なので、100%防ぐことなど到底無理なものだと思ってます。

鬱などの精神病は、こころが弱い人がなるのではないのだ。

誰にでも起こりうる。それもカナリの確率で。

そもそも強がっている人間ならいるかもしれないが、本質的に、強い人間などはいないのだ。

だからこそ、鬱という心の問題を患っている人を、「なんでもかんでも病気のせいにして……」

みたいに批判するのは、まわり回って、

いざ自分が鬱になった時に生きづらい世の中を作っているだけだと思う。

自分のためにも、他者に寛容になり、愛を持って優しく接することが何よりなのではないだろうか。

そして、医者じゃないからよくわからないけど、鬱か鬱じゃないかの判定は、

必ずしもYES/NOの二分法ではなく、その境界線は極めて曖昧な、グラデーションなんだと思う。

人間の“こころ”ってもの自体が、すごく複雑なのに、

そのこころの病気を二分法で判定することって出来なくないか?と思う。

「なにもせず、ただ生きるだけのことがこんなに辛いなんて」

これは本書中の言葉の引用だが、非常に共感した言葉の1つだ。

僕自身もひきこもりニートやってる時に、何もしないということに辛さに直面したことが幾度となくあった。

というか“何もしないということをする”って1つのスキルだと思うわけですよ。

普通の人はできないと思うんだよね。というか人間の本能的に虚無感に耐えられないかと。

だから僕は、極論だけど、世界中の人が神様に

「はい、君たち明日からひきこもりニートでーーす!」って言われて

ひきこもりニートになったとしても、世界は回ると思ってるんですよね。

なぜなら、虚無感に耐えられない大多数の人が、自発的に、何か行動(仕事)を始めると思うんですよ。

勿論そのまま怠惰な生活を続ける人もいるでしょうけど、それも時間とともに減っていくと思うんですよね。

それくらい「何もしない」ということってツライんですよ。

更に世間一般の目は、何もしないということを是としない風潮がありますから、

何もしていないというツラさにプラスして、周りの冷ややかな目という体面的なツラさもWパンチで来るわけですね。

そして鬱病患者の方の場合は、心は「今のままじゃだめだ」と思い、

動こうとするんですけど、身体が言うことを聞かないと。

そして自責の念にかられて、負の無限ループにはまっていってしまいがちなわけです。

じゃあ具体的な解決策ってなんなんだろうってことなんですが、

これに関しても僕は医者じゃないので、あくまで個人的見解になりますが

【自分を認める】ことだと思うんですよね。

著者も本書の中でこう述べている箇所があります。

「しんどかったら家で寝ているのもいい。天井をじっと見上げているのもいい。

一日中布団の中に潜っていたっていいのだ。働けるようになったら、それからなにかしよう。」

これってすげー重要だと思うんです。

鬱になった自分を肯定できるかどうかが、快方へのキモだと思うんだよね。

一般論で言ったら、「いやいや、その状態から脱出できるように頑張ろうよ」ってなりがちだけど、

はっきり言って、そんなことは当たり前すぎるほど本人も分かってるんだよね。

それが頭で理解しただけで出来たら苦労しないわーって話なわけで。

で、実際は多くの人が、自分のだらしなさに自責の念にかられ、恥じ、

自分のことがどうしようもなくクズに思えて、自分で自分を

どんどんどんどんツライ方へと追い詰めていっちゃうと。

だからこそさっきもいったけど、そーゆー自分を、

まずは肯定してあげることが非常に大事だと思うんだよね。

でもこれがなかなか難しいらしくて、自己肯定できる人はごく僅かなのだとか。

でもさ、考え方を変えてみて、今自分がこうして無気力な廃人生活を送っているのは、

あくまで選択肢の1つだって考えてみたらどうかな?

別にそんな急がなくてもさ、誰だって本や映画、漫画を読みふけりたい時だってあるだろうし、

そーゆー時期があってもいいと思うんですよ。

生きることこそがすべて

著者がこの本で述べている最大のメッセージは、副題にもなっている「生きろ」ってことだと思います。

著者も、紆余曲折の後に、現にこうして本を出版して、価値を提供しているわけです。

そして、うつ克服カウンセラーという肩書きでビジネスもしているのだとか。

本書にも書いてありましたが、そう考えると、鬱という1つの経験があったからこそ

自分のストーリーから創発される現在の仕事があるわけであって、

苦しかった時期というのは、決して無駄ではないというわけです。

もし、今、あなたが、こころに何かしらの問題を抱えているのなら

この書籍を読んでみてください。

少し心が軽くなるとともに、もうちょい生きてみっかなーと思えるかもしれません。

【鬱に離婚に休職が…(玉村勇喜)】

PS

この前NHKのEテレでやってる100分de名著っていう番組の

ツァラトゥストラ(ニーチェ)の回を見たんだけど、

その回の4回目くらいの放送で、精神科医?の先生が出てきて

ツァラトゥストラの内容を交えながら引きこもりの改善方法を述べてたんだけど、

それがまさに、「自己を認める」ってことだった。

ツァラトゥストラで出てくる用語を使えば、自己を認める事ができる人間というのは

【超人】になれるらしい。

ん……あれ、、、じゃあ…おれって……超人…?

コメント

  1. 「鬱〈うつ〉に離婚に、休職が… ぼくはそれでも生きるべきなんだ」の書評をしていただきました11 | うつ病克服専門心理カウンセリングルーム〜躁うつ病含む〜 | 癒し玉 | 神戸・大 より:

    […] そのリンクはこちら↓http://siokara-yanagi.com/%E3%80%90%E7%8C%AE%E6%9C%AC%E3%80%91%E9%AC%B1%E3%81%AB%E9%9B%A2%E5%A9%9A%E3%81%AB%E4%BC%91%E8%81%B7%E3%81%8C%EF%BC%88%E7%8E%89%E6%9D%91%E5%8B%87%E5%96%9C%EF%BC%89 […]