連載中の傑作漫画

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※随時更新。連載中なので、1巻は秀逸でも巻を追うごとに微妙になって追いかけるのを辞めた作品は外してます。あとワンピースとかキングダムとか進撃の巨人とか……の超メジャータイトルはここで紹介するまでもないと思うのでそちらも除外しています。

特攻の島

大東亜戦争(太平洋戦争)中に回天(人間魚雷)として散っていった兵士たちの物語。

カミカゼという名の特攻隊は世界的に有名だが、回天という名の特攻隊はそこまで知られていない。それ故にこの題材を扱ったことそれ自体にも意味があると思う。

ただ個人的に微妙だなと思ったのは、登場人物にリアリティがない点。やたら長髪のキャラが出てくるわ、間諜行為(スパイ行為)として取り締まられかねないスケッチをしたり、などなど細い点を挙げればあるのだが、それは漫画というフィクションだからと言われればそれまでだ。

ただそれでもリアリティに欠ける最大のポイントは、戦争に対して懐疑的なキャラが何人か出てきて、さらにその思想を憚りもなく披露してしまっている点だ。

「戦争は悪」「絶対に起こしてはならないもの」というのは言うなれば“戦後の後知恵”であると思う。

当時、その時代を生きていた人達はそれこそ血眼になって勝利を希求していたのではないだろうか。お国のために戦死した人間を悲しむことは許されず、心の内ではどう思っていようとも、それを決して口外するということはほぼなかったのではないだろうか。

勿論この考えも戦後の後知恵だと言われれば元も子もないのだけれど。この辺りに関して「この世界の片隅に」は非常にリアリティがあった。

と、ここまでわりとシビアに書いたものの、戦闘シーンなどの画力は凄まじく、絵の訴求力のみで、当時の回天搭乗者の息遣いまで感じられるほど。セリフが多いわけでもないので、サラッと読める部類ではあるが、そこから否応なしに考えさせられる作品である。

余談だが佐藤秀峰さんの描写は井上雄彦さんのそれに段々と似てきているような気がする。

中間管理録トネガワ

ギャグ漫画です。まぁ福本作品は根本的に絵柄がギャグですが、アカギの地獄編とかもはや麻雀してませんしギャグ漫画となってます。

が、一応あちらはギャンブル漫画です。本作は純粋なギャグ漫画です。ギャンブルしません。

じゃあ何が描かれるのかというと、カイジとEカードで敗れたあのトネガワさんの中間管理職としての一面がコミカルに描かれます。これがめちゃめちゃ面白いです。原作も漫画も福本さんではない人が書かれているようですが、個人的にギャグ漫画では最近で一番の大当たりです。

  

カイジらしさを活かした本気のギャグ漫画、爆笑したい人は是非!

ゴールデンゴールド

堀尾省太さんの前作「刻刻」もかなり秀逸な作品でしたが、新連載のゴールデンゴールドもつかみは上々です。

福の神が主人公のもとに舞い降り、その力を使って意中の相手のために田舎にアニメイトを作るお話です。何を言っているか分からんと思いますが単行本1巻の時点では本当にそれくらいしか分からないのでこれからの展開に期待です。

恋は雨上がりのように

女子高生がおじさんに恋するお話です。

基本的に悪いヤツも出てこないし、主人公を取り巻く周りの人間もいい人ばかりなのでお話に起伏はあまりありません。

それでも何故か読み始めてしまったからにはこのおっさんと女子高校のゆったりとした恋模様を最後まで見届けてやりたいという母性的な何かから、単行本を追っかけています。

ハピネス

惡の華の押見修造さんの新連載です。

吸血鬼が出てくるお話で、設定的には東京喰種を彷彿とさせます。

しかし作者が押見修造さんなので、そこはアクション系というよりも純文学系の路線へと向かっていくことを期待しています。

囀る鳥は羽ばたかない

この画像でひざまずかされているヤクザの若頭がチンポをしゃぶりまくるBL(ホモォ)漫画です。

個人的にBL作品はそこまで読んだことがないものの、本作はキャラの感情の機微の描写と若頭のエロティックさが素晴らしいです。

BL作品というだけで変な先入観を持たずに読んでみることをお薦めします。

キスした相手と顔を交換できる力を持ったブサイク女が、演劇界のトップに上り詰めていくお話。

個人的に演劇が好きなので、演劇の要素が多分に入っているこの漫画はストライクです。

ムシヌユン

これ絶対カルト漫画になるやろランキング1位です。

離島に謎のパンデミックが起き日常が奪い去られていくSF系のお話です。

ストーリー的には耳慣れした感のあるものなんですが、グロテスクな絵柄も相まって、途中から何を読んでいるのかわからなくなってきます。

なかでも主人公の変形したチンコの描写は個人的に今年読んだ漫画の中でも1,2位を争うほどインパクト大です。

飛空艇かよ。

作者の方は大学教授という異色の経歴なだけあり、漫画の方も異彩を放っています。単純なSFと言う風にはカテゴライズできない何かを孕んでいます。

決して万人ウケする作品では無いと思いますが、一読の価値があることは間違いないです。

リアル

今や漫画界のレジェンドとなりつつある井上雄彦さんの作品です。
本作は障害者バスケットを取り扱っているのですが、本作に限らず、この人は本当に人間(の内面)を描くのが上手い。

また、次に紹介するバガボンドとは対照的に、こちらは漫画的表現と呼ばれるものを多分に盛り込んだ作品であり、その意味においては漫画家井上雄彦が存分に味わえる作品だと思います。

さすかに素晴らしい胸熱漫画なのですが、唯一の欠点として単行本が一向に出ません。1年に一冊出たらいいかなーくらいです。それでも自分と歳を重ねながら追っかけていきたい漫画の1つです。

バガボンド

こちらも井上雄彦作品です。「宮本武蔵」を作者のエッセンスを加えて描いている漫画。

先ほど紹介したリアルとは対照的に本作は漫画的表現というものを意図的に使っていません。漫画というよりかは、どちらかというと芸術性に重きを置いているような印象を受けます。そもそも描き方もGペンでもなくペンタブでもなく筆ペンを使った一発勝負というところからして違います。

作品内容に関しても巻を追うごとに哲学性と抽象度が上がっていき、とても普遍的な内容になっていきます。

正直間延びしている間もなくはないのですが、リアルは王道的な漫画、バガボンドはちょっと背伸びして美術館に行くような感じで読んでいます。どちらも同じ作者なので、表現の違いなど読み比べて読むのも面白かったりします。

ただ、こちらも一向に新刊が出ないので、そこはご愛嬌ということで。

不滅のあなたへ

「聲の形」の大今良時さんの新作。一種の神話を読んでいるかのような気になる作品。

現時点ではまだ不明瞭な点が多いけれど、壮大な物語になる気しかしない!楽しみ!

約束のネバーランド

群雄割拠の少年ジャンプで週間連載をしているだけあって、さすがにストーリーがよく練られている。原作・作画を分業制にしているのもそれに加担しているのだろう。

子どもたちが”食料”として孤児院を装った場所に隔離されていて、そこからの脱出が第一章として描かれる。

外の世界には鬼と呼ばれる怪物の管理社会が広がっていると予想されていて、そこに「人間の世界を取り戻そう!」という物語の大テーマが語られている辺り、今後第二、三章と膨らんでいくのだろう。

とりあえず1巻の段階では「僕だけがいない街」のような謎解きミステリーのようにも読めるし、箱庭からの脱出という観点からで言えば「進撃の巨人」を彷彿とさせる部分もある。

なにわともあれ今後の展開が待ち遠しい一作!

BLUE GIANT SUPREME

言葉を失った。世界一を目指す男の人生を読める幸せ。それを漫画で紡ぐ才能を見れる幸せ。

前作ブルージャイアントが世界一を目指す男の日本での成長を描いた物語に対して、本作は満を持して世界編。文句無しの傑作。個人的に今一番楽しみにしている漫画かもしれない。

血の轍

「惡の華」の押見修造さんの新作。今回は「毒親」がテーマとのこと。押見さんはキャラクターに多くを語らせずに、場面の切り取り方や構図、絵だけで感情の機微をリアリティをもってこちらに伝えてくる。本作も、1巻を読んでいる間、常に緊迫感があって息ができなかった。とりあえず1巻だけでも読んでみることをおすすめします。

左ききのエレン

元々はウェブコミックからスタートした本作。まるで小学生の自由帳の落書きかのような、お世辞にも上手いとは言えないイラストでしたが、絵は下手でも漫画の作りは面白いと話題になってネットで大流行。その波に乗って作画作業を上手い人にやって貰う形で単行本が出版されたようです。

肝心のお話はと言うと、著者自身が以前勤めていたクリエイティブ界隈のお話を中心に、仕事論・精神論に響く熱い言葉のオンパレード。作風としては三田紀房さんのドラゴン桜やインベスターZなどの作品が近いかも。

それにしても「俺はまだ本気出してないだけ」なんかもそうだったけど、絵の巧さと漫画としての面白さってのはまた違う領域にあるよなぁとウェブコミック版の本作を読んでつくづく思った。音楽もか。

天才になれなかったすべての人へーー。

BEASTARS

作者はなんとあの「刃牙」の板垣先生の娘さん!ということでどんな筋骨隆々な男が登場するのかと思いきや、登場人物はみんな動物。しかも主人公は大型肉食獣でありながらひ弱な性格のハイイロオオカミ。蓋を開けてみればBEASTARSは肉食獣と草食動物がともにくらす世界を描いた繊細な物語でした。

このお話自体が完全に現代社会の暗喩になっていて、「多様性・分断・ヒエラルキー・共生」など動物たちの暮らしぶりから様々な哲学的視座を与えてくれます。著者は幼少期から漫画を通して色々な世界に触れきたとは思うんですけど、それにしてもこんな骨太な作品で連載デビューってすごいなぁ。イラストは個人的にはハンターハンターを彷彿とさせるものがありました。

ど根性ガエルの娘

とりあえず15話まで読んでみて下さい。もうこれね、親の呪われた轍に苦しみ続ける子のドキュメンタリーを観ているみたいです。15話を読んだ瞬間に全てが崩れ、著者が心配になる。これからどのような展開になっていくのか、著者自身も手探りなんじゃないんでしょうか。

分かったようなことは何一つ言えませんが、著者はこの作品を書くことによって、きっと、自分と自分を苦しめている呪いに立ち向かうとしたんだろうなぁと。だからこれはお話じゃなくて、ドキュメンタリーなんです。きっと。ハッピーエンドは期待してはいけない、劇的な盛り上がりも落とし所もないかもしれない。でも、自分と向き合うと決めた著者のその勇気に、一読者として、淡々と付き合っていきたいなぁと、久しぶりに思えた作品です。

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