【四国遍路】田舎に泊まろう!【27日目】

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起床後、何だか歩く気があまり起きず、ぼぉっとしたり、ブログを書いたりしていたらいつのまにか正午になっていた。この旅で一番遅い出発だ。まぁ、こんな日もある。

とりあえず何か食べて脳みそを働かせようと、昨日お接待でいただいためちゃめちゃデカイ、ブンタンというみかんを食べる。

のろのろと出発後、朝食兼昼食をとろうと昨日閉まっていたラーメン屋に足を運ぶ。ラーメン屋のお母さんに1番ボリュームがあるものを聞き、ラーメンライス餃子付きセットを注文する。

勿論スープもデフォルトで飲み干す。こんな高カロリー食をバカスカ食べても、全然太る気がしないばかりか、むしろ痩せてしまうような日々を送っている。

風情ある宇和の町並みを横目に歩いていると、学生サークルのような若い方達がこれから大喜利をやるということで呼び止められた。

特に急いでるわけでもなく、入場無料との事なので見ていくことにする。お客さんはほとんど地元の方ばかりで、県外の人間はおそらく僕だけだったと思う。こういう小さな活動から何かが生まれることもあるものだ。しかし、後からこの公演が約1時間あることを知る。結局一通り見終わったときには、時刻は2時半を回っていた。今日の野宿場所からまだ数キロも歩いていない。

公演のお礼として、劇団アフターVの方々にお札をお渡しすると、お返しにお接待でオレンジジュースをいただいた。

余談だが、顔が旅人の顔をしていると言われたのが地味に嬉しかった。自分でも顔つきが変わったことを凄く感じていたが、他人にそう言われると、そうなのかぁとしみじみと思ってしまう。

しかし今日は全然歩かないし、歩こう!という気にもあまりならない。まぁこんな日は素直に自分の気持ちに従うのが良いのだろう。

しばらく歩いていると昔ながらの遍路道と国道沿いのコースに二股に分かれている分岐点に差し掛かる。今日は全然歩いておらず距離も稼げていなかったこともあり、約半分の近道になる国道沿いのコースを選択する。しかし近道もいいことばかりではない。国道沿いのルートには歩道のない約1.1キロに及ぶ長いトンネルがあり、今まで通ったトンネルの中で1番危険だった。

その証拠ではないがトンネルに入る直前に反射タスキの貸し出しも設置されているほど。

ありがたく反射タスキを装着し、いざ歩道のない、長いトンネルへと足を進めていく。

トラックやぶっ飛ばしてくる軽が横スレスレを通るのは普通に危ない。

なんとかトンネルを通り抜け大洲に入り、臥龍の湯という温泉の前にたどり着く。今夜はここで風呂にでも入っていくかぁ!と思案していると、自転車に乗った1人の兄ちゃんに話しかけられサイダーを貰う。今夜の予定などを軽く説明していると、唐突に「うち泊まる?」というお誘いを受けた。洗濯も出来るし、風呂にも入れるし、正直断る理由がない上に、基本的に人の善意は相手のためにも全て受け取るようにしているため、お言葉に甘えさせていただくことにする。

この旅で初めて他人の家におじゃまする。正直、こちらがお願いしたわけでもなく、向こうの方から唐突に誘ってきたこともあり、若干警戒もしていた。イキナリ知らない人間の家に泊まるというのは、四国遍路をしていると麻痺してあまり感じないが、よく考えれば普通に怖いことだ。

促されるまま家に案内され、服を脱ぎ、風呂に入る。その間に洗濯をして頂く。風呂が終わればそのまま離れのような、もう使っていないと思われる部屋に案内される。この方も言っていたが、まるで魔女の宅急便でキキが出稼ぎ中に泊まっていた部屋のようだ。

部屋に着いてもくつろぐ暇なく、すぐに洗濯物を持って来て一緒に干す。ここまでの手際が良すぎる。もう今まで何人か泊めているのかと聞けば、僕が初めてとのこと。逆に怖い。

更に部屋でぼぉっとしている僕に、餓死しないようにと最低限の食事(パン、牛乳)を持って来てくれた。渡されるがままに食べる。

ここまできてようやくくつろげる時間になった。

泊めていただいた兄ちゃんもしばらくしてやって来て、しばし談笑する。「なぜ遍路に」という質問もされたが、こういう時間をとって話せる状況であったので、自分の過去も含め普通に話した。

この兄ちゃんは政治の事をずっと語っていた。どうやら安倍政権にカナリの不満を感じているらしい。僕は政治の事はよく分からないが、官で出来ないのであれば、民でやっていくしかないと個人的には思っている。

去年ベストセラーになったアドラー心理学でも繰り返し言われていたが、他者に期待するから絶望するのである。

誰かや何かに絶望し、その依り代として何かに期待し、祀り上げるが、しばらくしてまた絶望する。歴史を紐解いても、大体この膨張と収縮の繰り返しである。

だから、もう、いい加減、他者に期待することは無意味だということに気づくべきなのだと思う。その上で、何かを変えたいのであれば、自分で動くしかないのだと思う。

そんなことを考えてはいたものの、お家にお邪魔させて頂いている身分としては、なかなか言えないものである。

他にも性悪説に基づく話など色々していて、個人的に思うところはあるものの、面と向かってではなくここに書くのは何か卑怯な気がするので、それは割愛しようと思う。

窓から外を見下ろしながらタバコをふかすと昭和の香りをすごく感じる。なんであれ、簡易ベットの上で寝られるのは物凄く心地よく、蚊取り線香の匂いを嗅ぎながらすぐに眠りに落ちた。

【支出】飲食費750円、340円

【歩行距離】21.9キロ

【参拝霊場】なし

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【ふぉろーみー】