ブッダの啓示

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妖精の存在って、信じます?

僕が学生の頃の話なんですけどね、

ある朝目が覚めると、天井の方から声がするわけです。

「……ぁ……て…っ――。。。。」

ものすっごいかすかな声だったんで、僕も最初は

「なんだ空耳かー」なんて思ってたんですけど、

どうも、間隔をおいて、そのかすかな声が聞こえ続けるわけですよ。

「――し……ん――て……っ――。。。。。」

なんだかどうも、言葉の意味はわからないのですが

ああこれはついに、僕もブッダの啓示が聞こえるステージになったんだなーと、

寝ぼけながらも感慨ひとしおだったわけです。

「――し……ん――て……っ――。。。。。」

はい、ブッダ。ご啓示ありがとうございます。

「――し……ん――て……っ――。。。。。」

はい、ブッダ。ご啓示ありがとうございます。(2回目)

「――し……ん――て……っ――。。。。。」

……はい、ブッダ。ご啓示ありがとうございます。(3回目)

「――し……ん――て…(ry」

「うるさっ!!!!!

ブッダ、うるさっ!!!!!」

低血圧で朝が弱い僕は、ブッダのあまりのしつこい啓示に半ばキレてしまったわけです。

しかしそれで目が冷めてしまった僕は、その時に、ある物音に気がついたのです。

「ガサゴソガサゴソ」

明らかに屋根裏の方から、何かの物音がするわけです。

あれ、、、これもしかして……ブッダ召喚しちゃった的なやつかな。

という期待と、単にネズミかもしれないという一抹の不安を胸に

家の屋根裏に繋がる扉の前に行って、扉を開けてみたんですね。

ズドドドドドォォオォォォン!!!

すごい木材がきしむ音と同時に“何者か”が屋根裏から落下してきたんですよ。

「――ああ、なんだ、やっぱりブッダ……ダ……ダ…、、、ダディィィイイイ!?!?!?

一瞬スローモーションに見えたんですけどね。

まさかのまさか、屋根裏からダディ(父親)が落下してきたんですよ。

……あれですよね。

とりあえず事態を冷静に分析しようと思ったんですよ。

けど、どう分析しても結論が、

「天井から父親が落ちてきた」になるんですよ。

あれ、おかしいな、そんなことあるわけないよなーって思って何回も考えなおすんですけど、

やっぱり結論は

「天井から父親が落ちてきた」

なんですよね。

この状況で1つだけ確実に言えたことといえば、

正直何が起こったのか、まるでわからない。

ということだけなんですよね。

で、もうこれは脳内迷宮に入ってしまう可能性があるなーと危惧したんで

その場で当事者である父親に質問したんですよね。

「――え、なにしてたん?」

「いやいや~ネズミ駆除しようと思って天井入ったらハシゴが落ちて降りられなくなっちゃったんだよね~~(^q^)」

「だから、しゅんちゃん(僕の呼称)に助け呼ぼうと思って、天井から叫んでたんだけどね~~(^q^)」

「とりあえず降りられてよかったよ!!じゃあ!!!」

…………いやいやいや。

どんだけドジっ子だよ――。

その当時、父親、還暦近いですよ。

それが「ハシゴが落ちて降りられなくなっちゃったんだよね~~(^q^)」って。

(^q^)って。

アホかと。

しかし、僕はそこでの発言が引っかかったわけです。

「だからしゅんちゃん(僕の呼称)に助け呼ぼうと思って、天井から叫んでたんだけどね~~(^q^)」

――俺に助けを呼ぼうと思ってた……?

!!!

これってもしや、僕がブッダの啓示だと思ったかすかなささやきって……。

「――し……ん――て……っ――。。。。。」

↓↓

「――し…ゅ…ん―ちゃんたすけ―てぇ……っ!!!!」

!!!

すべての謎が一気に氷解したわけです。

かくして一連の朝の騒動は終着したわけですが、

この事件を通して思うことは、

「まさか、僕の人生で、天井から父親が落ちてくるとは思わなかった。」

ということです。

ちなみにこの事件後、父親の家でのあだ名が、

「妖精」になったことは言うまでもありません。