【四国遍路】テントにテントを張る【11日目】

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ビジネスでも何でも、話をわかりやすく、簡潔に伝えるには、結論から述べた方がいいと思っている。だからこそ結論から言おう。


オナニーした



――いや、ぶっちゃけこれ発表するかかなり迷ったんですよね。だってこれ言っちゃうと、これから僕がこの旅で感じたどんなに良い事言っても、「ああ、遍路中にオナニーした人がなんか言ってる。」って事態になりかねないじゃないですか。ってなわけで結構躊躇ったわけなんですよ。

しかも般若心境にも十善戒の1つとして、淫らな行為をしてはいけないという「不邪婬」なるものもあるわけですよ。でもそもそも不邪婬ってのは不特定多数の異性と不埒な行為をしてはいけないというものであって、1人の女性を愛することであれば何の問題も無いらしいんですよ。現にお寺の坊さんとかも今では結婚して子供も作っている方も多数いらっしゃるようですし。

更に言えば十善戒の中には「不両舌」というものもあって、それは簡単に言えば、嘘ついちゃだめよってことなわけです。で、それらを照らし合わせた結果、僕は息子を愛してオナニーしたわけですから、不邪婬というよりも、それを隠すという不両舌を犯してしまいかねないと思い、こうやってインターネット上に遍路オナニーを公開しているわけです。

で、今この記事を書いていて思うのは、俺は一体、何を言っているのだろうかなんてことでは全然なく、むしろオナニー発表しちゃえば、あと何でも包み隠さず言えるよね、という「不綺言」にも繋がることであり、ああ、これは、私もそろそろマスかき大師と呼ばれ、崇め奉られる日も近いな、ということを感じています。

さて、とりあえず今から11日目の出来事真面目に書くので、とりあえず今読んだもののことは全部忘れてください。

朝、ぱらつく雨音ともに目が覚める。昨日テントを(2つの意味で)張った立石休憩所は明るくなるとこんな感じだ。四阿の屋根と、周りの草のおかげでテントは雨には晒されずに済んだ。

四阿の横にはトイレも設置されている。

ちなみに野宿をするときは必ずこのようにテントに杖と菅笠を立て掛けるようにしている。こうすることで、自分が何者なのか、つまりお遍路さんであるという認識を相手に与えることができるため、少なくともオナニーできるくらいには安全性が増すらしい。
今日は一日中雨の予報だったので、予めポンチョをかぶって、どんよりとした空模様の下を歩いていく。途中、歩きながら猛烈に眠くなり、ふらついてガードレールから落ちそうになった。これはいかん、というわけで、近くにあったバス待合所で少しだけ仮眠をとることにした。

10〜15分後、昨日もお会いした東京都の区切り打ち遍路さんと再会する。そこから一緒に歩くことになり、27番札所を目指す。

途中、お昼ご飯に豚カツを食べに行ったものの、あいにくの定休日。

仕方なく近くにあったスーパーでロースカツ弁当を買って食べる。

27番神峯寺は、また山の上だ。

勾配が急な山道を、雨によるぬかるみに注意しながら、淡々と進んでいく。

筋肉痛と炎症とマメの痛みでさんざんだった足は既に麻痺して何も感じず、あとは気力だけでひたすら登っていく。汗でポンチョが肌にまとわりついて気持ちが悪い。風呂も洗濯もしない日が今日で3日目だ。

どれだけ山の上方に作るのかも思いながら山道に到着。

庭園は管理が行き届いていて綺麗だった。

その後、3日風呂と洗濯をしていなかったので、納経所の方に洗濯と風呂に入れる場所を聞く。通屋堂はあったものの洗濯も風呂も基本的には出来ないらしく、結局ネットで1番近かった安芸駅の銭湯に行くことにする。登りがあれば下りもあるのが山である。膝に負担をかけないように東京都の区切り打ち遍路さんと下山後別れ、歩きだと時間的に間に合わないため、電車に乗るため唐浜駅に向かう。

変なマスコットキャラに見とれていたら、まさかの一本逃した。次来るのは約40分後。人間、こういう時は笑ってしまうものである。仕方がないので道の駅で休みつつ今日の野宿場所を模索する。

休憩所に金剛杖の忘れ物を発見。お大師さんが一人ぼっちである。石渡さん迎えに来たげてやー

40分後やっと電車が到着。

料金システムがほぼバスである。

相変わらずのキャラクターセンスである。

麻痺していた足の痛みが一気にぶり返し、ビッコを引きながら3日ぶりに銭湯に入った時は、ここは桃源郷なんじゃないかと思った。銭湯の店主の方に聞けば、安芸市の球場でテントが張れるとのこと。飴とラムネのお接待も頂きエネルギーを補給したので、場末のコインランドリーで洗濯をした後球場へと向かう。この時点で気づけばもう22:30になっていた。

球場へと向かう国道沿いに、昨日同様ラーメンの看板の誘惑が襲う。数秒間の逡巡の後、ええいままよ!と入店。が、既に閉店間際だったらしく、サイドメニューのご飯物しか作れるものがないとのこと。

普通なら入店段階で断るだろうもののお遍路さんだからということで特別に入店させて頂けたので、もう、食べられるのならなんでもよい。とりあえず注文できるものの中から豚トロ丼を頼む。「余ってるご飯全部入れときますね!」という店長の言葉通り、結構な量の丼と無料でキムチのサービスもきた。
備え付けのワサビで目頭が熱くなる。冷えた夜に、暖かいものを食べられる、という、それだけで幸せだ。

歩いて遍路をしていると、お腹がいっぱいになるということ自体あまりないのだが、この夜は、久しぶりに腹を満たすことができた。

最後に板チョコを3枚もお接待頂き、感謝の気持ちを述べ、球場へと足を運ぶ。

球場へ着き、テントの中に入る頃には0時をまわる直前だった。夜更かし遍路である。もはや野営に慣れすぎているため、横になった次の瞬間には眠りに落ちていた。

 
【支出】食費430円、120円、110円、400円、280円、交通費400円、洗濯600円、入浴料390円、救急用日600円

【歩行距離】38.5キロ

【参拝霊場】27

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【ふぉろーみー】