【徒歩日本一周】現世のスーパーマリオ【11日目】

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外で寝ていると警戒心からか朝4時頃自然と目が覚める。が、すぐさま二度寝し、結局5時半頃に起床した。

迷惑にならないようにすぐさまテントを撤収し、支度を終え、ブログを書いていると、おばちゃんに

「一緒にどお?」

とラジオ体操に誘われほいほいと付いていく。

このラジオ体操が長い。

僕の記憶では、ラジオ体操と言ったら1番まで終えればスタンプを押してもらって帰れるものだ。しかしこのラジオ体操の曲は3番くらいまであり、無論、どんな動きをすればいいのか分からない。

混乱した僕は途中から宇宙人のように、へにょおへにょおとよく分からない動きで誤魔化すことになった。

ラジオ体操による恥ずかしめを受けた後、おばちゃんと子連れのお父さんと少し会話をする。なんでもこの辺り一体は工業地帯で、それを見渡せるタワーがすぐ近くにあるらしく、そこに向かうことに。

お二人とお別れをし、少し歩けばすぐに湾岸についた。

そのまま進んで行くとエヴァンゲリオンに出てきそうな細長く屹立した建物が見えてきた。

確かに綺麗な建物なんだけども

この建物が何に使われるのか全く分からない。

説明書きも一切ない。

確実に言えることは、

これは細長い建物だ!!!

ということだけだ。

細長い建物の裏には潮干狩りが出来る浜辺が広がっていた。GW期間中は潮干狩り渋滞が出来るほど人でごった返していたらしく、そのせいか、「もうアサリなんかはほとんど狩られ尽くされちまったよ……。」と、近くにいたおっさんが謎の哀愁を醸し出しながら言っていた。

その後沿岸部沿いを淡々と歩き続け、腹が減ってきたので近くにあったよさげのラーメン店に入る。いわゆる家系ラーメンだ。

隣に座っていたカラコンはすっぴんです!とでも言いそうなギャル二人が「え!?日本一周だって〜」と小声で話すのにめっちゃ聞き耳を立てつつ、小生はラーメンにしか興味はありませんと言わんばかりの寡黙ぶりを装って麺をすする。

ラーメン完食後、交通量が多い大通りを避け、1つ裏の路地を歩いていると、看板を見た年配の女性に後ろから声をかけられる。

聞けばこの女性はパーキンソン病でなかなか遠出が出来ない為、近くの郵便局をスタンプラリー的に回る面白い旅をしていた。

ゆうちょの口座に各地の郵便局を訪れる度に1円、2円、3円…とプラス1ずつ数字を上乗せして貯金していく。

そうすると通帳に各地の郵便局名と行った日付、そして貯金額がそのまま何番目に訪れた郵便局かが一目瞭然となり、お手軽スタンプラリーの完成だ。

何事も発想次第でエンタメになるものだなぁと感心する。僕も勧められたが、日本一周する人がそれをやると借金する気がしたので丁重にお断りさせて頂いた。

この女性と別れた後、おすすめされた近くの神社でお参りしていると、先程の女性がわざわざ家からお布施を持って来てくれた。

この旅では、人の善意は相手のためにも100%受け取ろうと思っているので、お礼を言ってありがたく頂いた。ついでにアドレス交換もする。どんどんマダムのメル友が出来ていく。

その後は国道沿いを木更津方面へと延々と歩き続ける。たまに車から「頑張って!」と声をかけられるが、気付いて返答しようと思った瞬間には遥か彼方にいるので「風か」と一人でツッコむ。

そんな中、わざわざ車から降りて若者二人が追いかけてきてくれた。よく年配の人が「若い人と喋るとエネルギー貰えるわぁ」と言っているが、今めちゃめちゃ分かる。若者の養分吸いたい。

道中よさげなお寺があったので立ち寄ることに。

ここは浄土宗のお寺らしかった。最近のお寺では珍しく本堂の中に入って参拝出来たので、阿弥陀如来さんの近くに寄って般若心経を唱える。

しばらくすると住職さんが来て、しばらくお話させて頂いた。浄土宗に関してはほとんど知識がなかったため、基本的なお経の唱え方から浄土真宗との違い、天台宗などの新興宗教系との教義の違いなど詳しく教えて頂けた。

浄土宗と浄土真宗の根本的な違いとは前者が一貫して智慧や真理を探求し続けるのに対し、後者は信ずることこそが全てだということらしい。

阿弥陀如来さんに助けを求めることが全てで、それだけで極楽浄土に行けるという考えだ。故に真理や智慧の探求などの比重は重くないらしい。

だからなのか浄土真宗は「仏さんも人間」という考えのもと他の宗派と比べ戒律が緩い。例えば、基本的に髪の毛は煩悩の現れとされるため坊さんは剃髪をしなければならないが、浄土真宗では先程の考えのもとに、髪の毛だってありのままでと言わんばかりに剃らない。

ここの住職さんは智慧の探求をし続けてこそ!という考えだったのでやはり浄土真宗のそれには疑問を呈しているようだった。

なるほどここの住職さんはそれほど功徳を積んでいる方なんだなぁと思っていた矢先、手元にフランクミュラーの時計がチラリと見え、一気に俗世感が出た。

更に左手にもブランド物の時計をしていたため、「それ、この世とあの世の時刻で合わせてるんですか」と喉元まで出かかった言葉を留めた。

ちなみに浄土宗では般若心経はほとんど唱えず、基本的には「なむあみだぶ×4 なむあみだぶ×4 なむあみだぶつ なむあみだぶ」と計10回唱えるのが基本らしい。

面白い話を聞かせてもらったばかりか冷えたプリンまで頂き、この本田圭佑のような住職さんとは別れた。

その後目に入った各地の神社仏閣に参拝しながら木更津の手前まで進む。

今日の夜から雨が降る予報だったので雨を凌げるような屋根がある野宿場所を探していたがなかなか見つからない。2キロほど引き返して漫画喫茶に入ることも考えたがなんとなく気が進まない。

辺りはどんどん暗くなっていく。

ようやく見つけた公園のドカンの中で野宿をすれば案外いけるんじゃないかと、スーパーマリオのような発想をひらめく。

入ってはみたものの結果的に蚊が多すぎてドカンでの野宿は断念した。どうしようかと夜の公園のベンチで孤独に逡巡していると、辺りをパトロールしていた警察官にこの旅初となる職質を受ける。

正直言って職質だろうがなんだろうが話し相手が出来ただけで嬉しかった。更にはこの警官の方がなにやらもの凄く腰が低く優しかったので濡れた。

色々と確認をされた後、頑張って下さい!と応援を言い去っていった。

僕としては警官のお墨付きを受けたので堂々と木の下にテントを張ることにした。

雨か振らないことを祈るばかりだった。

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