【徒歩日本一周】家を捨てる【前日譚】

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およそ半年ほど前から行く行くと言いながら行く行く詐欺を繰り返していた日本一周徒歩の旅に明後日からようやく出発します。

日本一周というと沿岸部沿いの距離だけで概算12000キロ、それを歩いて行くとなると約3年ほどかかるらしいので、不測の事態にも備え、今回は綿密にルートの予定をたてました。

以下、詳しく説明していきます。

日本一周詳細ルート

①くだる

埼玉スタートなのでとりあえずは沿岸沿いを目指し真っ直ぐにくだります。

②のぼる

のぼります。複雑かもしれませんが、のぼることだけを考えてのぼります。

③左へ曲がる

きました。この旅で最初に訪れる難関ポイントです。「左」という概念が出てきます。

日本一周をする人がここで間違えて「右」に行ってしまった結果、世界一周をするという珍事が多発する分岐点にもなっている場所なので注意が必要です。

④くだる

くだります。とてつもないくらい、くだります。

邪心を捨て煩悩を捨て瑣末なことにとらわれず、まごうことなきくだりをします。

⑤左へ曲がる

この旅の最難関ポイントです。一見矢印の方向だけ見れば右に曲がっているように見えます。しかし実は左に曲がります。

これは主観と客観、仰視と俯瞰、ミクロとマクロ、自分から見た友達の右手は友達の左手、の性質と同じです。

ここで右に曲がってしまったがために自分を見失い、日本一周を初めからやり直す人が後を絶たない場所でもあります。

⑥のぼる

のぼりの、のぼりによる、のぼりのためののぼりを披露しミッションクリアです。

ちょっと細かくルートを決め過ぎな感じもしますがこんな感じです。

――いや、正直ネットで調べても徒歩で日本一周の先人いなすぎて詳しいルートとか分からないんですわ!!!

先人言うたら伊能忠敬大先輩がそうであったように、これはもう自ら日本を測量して道を切り開いていくしかないで候といさぎよく諦めたら以上のようなルート予定になりました。

ルール

次に日本一周のルールですが、今回はゆるく行こうと思ってます。お遍路の時は「徒歩」というものに厳格にこだわって、車で送ってもらったら翌朝送ってもらった位置まで戻って歩き始めるとかやってましたが、今回はそんなマゾに磨きをかけるようなことはしません。

  • 基本徒歩(場合によってはヒッチハイク有り)
  • オール野宿

くらいのスタンスでいこうかと。公共交通機関に関しては使わないと思いますが、まぁこれもケースバイケースで。

宿泊に関してはオール野宿です。が、これも途中何らかの突発的事変が起こった際は分かりません。

また、現実的にどの時点かでお金がなくなった場合は、現地でリゾートバイトという海外で言うところのワーホリみたいなことをしながら旅を続けていこうと思います。

そして最後に、もし日本一周中に猛烈に「これは!!!」と思う何かを見つけてしまった場合は日本一周やめます笑

――はい。もうここまで書いてお分かりの通り、ルールなんてもんはあってないようなものです。そもそも僕は日本一周がしたいわけではないんです。

以下つらつらと日本一周に行くに至った理由みたいなものを後付けで述べるので、時間がある人だけお付き合い下さい。

家を捨てる

結論から言ってしまえば、最初は小豆島の88箇所遍路に行くだけのプチ旅だった予定が、あれよあれよといつの間にか日本一周まで大きくなったのは、ひとえに「思いつき」でしかありません。

けれども後付で色々と徒歩で日本一周に行く理由を考えてみたら、それはたぶん「自分が、自分のことを肯定させるために、旅に出る」んだと思います。どんなに美しい言葉も、真っ当な言葉も、正論も、自分のことを肯定できていない状態では、表面的な意味をなぞるだけで、ほんとうの意味で腑に落ち無いと思うんです。

ありのままでいいとか、そのままでいいとか、言っていることは正しいんだろうけど、実際にそう思える瞬間もあったけれど、でも、そう思えるのはその瞬間に自分が自分を肯定できているからだと思うんです。そうじゃなければ、そんな言葉は薄っぺらで、琴線には1ミリも触れない。

ありのままとかそのままでサイコー!とか、それを言葉通り素直に受け取るため、つまり自分を肯定するために、僕は僕自身にあえて言いたかった。

「お前は、今のままじゃダメだ」

「お前は、お前自身を肯定させる義務がある」

「ありのまま、そのままなんてクソ食らえ。お前は変わるべきだ。変わらなければいけない。お前自身を肯定させるために」

こう思ったら、もう、自分をごまかすことは出来なかった。

――最終的に自分を突き動かすのは、いつも自分でした。自分を肯定できるかどうかなんて分からないけれど、あとは僕自身を信頼してあげるしかない。

人間、何かと出来ない理由を探してしまうものですが、そんなもの探そうと思えばいっぱいあります。

現に僕なんかはお金もない、社会的な信用も肩書きもない、友達もいない、と、ないないづくしのエレクトリカルパレードみたいになってて(やかましいわ)自分で書いてて卑屈になりそうなほどです。貯めていた貯金も減りに減って残りの全財産はもう10万円ほどしかありません。

――それでも、スタートします。

お金があるからやるのではなく、準備ができていなくても、やる。無謀でも、やる。それは一般的には馬鹿と呼ばれます。

勿論、お金を貯めてからスタートすることも出来ます。けれどその場合、お金を貯めるまでの時間は返ってきません。

僕は今25歳ですが、色々と回り道をしてしまった分、生き急ぐくらいがちょうどいいと思っています。それにお金が貯まってから行くというのは一見真っ当に思えるかもしれませんが、実のところ単なる決断の先延ばしにすぎないという側面もあります。

現状を変えるためにはいつかは一歩踏み出さなければいけないし、それは早いほどいい。踏み出してからが、長いんです。

しかし僕の場合お金がどうこうというよりも、家を捨てたいという思いが強くあります。むしろ家を捨てたいがために旅に出るというニュアンスの方がしっくりきます。

家が嫌いなわけではないんです。むしろ居心地が良すぎるのが問題なんです。

家にいると衣食住は完備されているし、まるで無限に時間があるかのようにYouTubeを見たりスマホゲームをし始めてしまう。

実際、今入ってきている収入のシステムをちょこっといじっていれば今の心地良い生活を続けることも出来ると思います。人間は基本的に現状維持が好きな生き物です。ほっとけば自分で定めた快適なラインにいつまでもゆらゆらと浮遊し続けている。

だからこそ、出来ない理由から探すのをやめ、どの時点かで自分の殻を破って「出来なくてもやる」という選択をする必要があるのかもしれません。

今までもはたから見たら突拍子も無いことを何度かしてきましたが、実のところ僕は性格的に理詰めで考えてしまうタイプなんです。

でも、いくら考えても考えた時間だけ最適解が導き出せるわけではないし、なにより自分の頭で考えられること以上の答えは導けないんです。本当の最適解というのは、実際にやってみないと見えてこない。

それならば、と思ったんです。

――とまぁ長くなりましたが、結局はきっかけなんてもんは思いつきでしかないってことです。ただ日本一周はあくまで手段であって目的ではない。本当の目的は先程も述べたように自分を肯定させることとか、それに付随して家を捨てることとか、あとはたくさんの人と出会いたいんです。そして時間だけはあるので、短期的なゴールなんて決める必要はないと思ったんです。

話は変わりますが、お遍路のときに旅人は基本的に消費する生き方だということを感じました。僕が唯一できる生産的なことといったらこのブログを書くことくらいです。

仮に僕の役割があるとするのならば、この旅を通じて出会ったヒト・モノ・コトを、僕の目を通してこのブログを読んでくれてる人に伝えることなのかもしれません。そうだとするなら、真摯に書いていきたいなぁと。

まぁ色々と書きましたが、全てにおいてどうなるか分かりません。何が起こるか分からないのであれば、何も考えず、淡々と明日から歩いて行くのみです。

Twitterなどでどこにいるか実況していこうと思っているので、もし近くに来た際はお声がけ頂ければ飛んで喜びます!

基本的に寂しく一人で歩いていると思うので是非是非会いに来てやってください!

それではまた日本のどこかで!

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【ふぉろーみー】