【徒歩日本一周】野生の目覚め【12日目】

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昨夜遅くからパラパラと降り出した雨は次第に雨脚を強めていき、木の下なら葉っぱが雨宿り代わりになってくれるんじゃないかと思っていた僕の安易な考えをことごとく打ち砕いた。

雨音で目が覚めたときにはテントは既にびしょびしょだったので潔く諦め、そのまま二度寝した。

僕が使っているテントはバンドック ソロドームテントという8000円くらいの安物だが、恐ろしいくらいに性能が良い。去年のお遍路の時はほぼ毎日使っていたが1箇所も破けず、未だに目立った損傷もない。

更に今日は終始雨に降られていたものの、1ミリも浸水することはなかった。コスパよすぎである。ありがとうバンドック。

テント自体は泥だらけになってしまったので、どこかで洗わなければならない。ひとまずそのままザックにしまい歩き始める。

右手に工業地帯が延々と続く道を歩く。重油の匂いが鼻をつく。

その道中見つけたすき家に入り、からあげカレーを注文。客層はほとんどがトラックの運ちゃんだった。

いただきます!

店員のお姉さんに会計の際に「頑張って下さい」と声をかけられて惚れた。マスクしてる歯科助手さんマスク取ったら大概ブスが定石だけど今のお姉さん絶対可愛い(確信) 

その後はなんの面白みもない道が延々と続く。こういう道を何時間も歩き続けるのが結構辛い。

途中飽きて脇道にそれると、たまたま気の良さげな神社を見つける。

中に入った瞬間、空気感が変わる。工業地帯に緑がこれほど保存されているのは凄い。遍路道を思い出す。

神社にお参り後は田園地帯を横目にひたすら歩く。

そうこうしていると昨日お会いした住職さんにお勧めされた先擇寺に到着。

しばらくここで休憩がてら今晩の野宿場所を思案していると、お寺の人らしき姿が見えたので声をかける。聞けばここの副住職さんでまだお若い。

歩いて日本一周をしていることを告げ、近場に野宿出来そうな場所がないか尋ねると、木更津キャッツアイのロケ地として有名な赤い橋(中の島大橋)の辺りに広い公園があるというので、そこへ向かう事に。

別れ際、写真をお願いされ、ミーハーな坊主だなと思いながら写真を撮って別れる。(すいませんこれ見てますよね冗談ですよすいません)

赤い橋に行く前に駅がすぐそこだったので行ってみるものの、何もなさすぎて何も言えない。

中の島大橋に到着。

なんでもここはカップルの聖地らしく、キャッツアイの影響か彼女をおぶってこの橋を渡りきると結ばれるとか。

僕はまぁ無論一人で渡ったわけなんですが、気持ち的にはブッダかついでましたね。

ちょうど橋のてっぺんにカップルが愛の錠前みたいのくくりつけるとこあるんですけど、ここに「しゅん(はあと)ごーたま」スジャータにはわたさないぞ!とか書いてくくりつけたい気持ちでしたわ。

で、渡りきった先はどうなってたかというと、恐ろしいくらいに何もないんですよね。ザ・草原て感じで閑散としてたんですが、そういう場所って野宿するにはもってこいなんでよしきた!とばかりにホームレス界の吉祥寺として有名な雨風防げる橋の下を物色しに行ったら見事に先客がいたんですよね。

しかもよくよく見ると焚き火のあととか、洗濯用の紐かかってたりと完全に居住タイプだったんで、さすがにここにAirbnbするのは無理そうだなと判断してそそくさと撤収したわけです。

そうこうしていたら一気に夜も老けて赤い橋から見える夜景がとても幻想的になっていたので、ああ、これはブッダからの贈り物だなあと思いながら一人でパシャパシャとやっていたんですけど、いかんせんここめっちゃ飛行機が通るんですよね。

「ああ、ブッダからのおく……ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

みたいな感じでムードもへったくれもあったもんじゃありませんでした。

ちなみに夜景自体は綺麗でした。

その後は野宿場所を探して夜の木更津を彷徨い続けた結果、屋根もあって雨を凌げる上に人もいなくて静か、極めつけは三歩歩けば太平洋が一望出来るという好立地の場所を見つけることが出来ました。しかも家賃0円、敷金礼金なし。近くにトイレ完備。

テントを張ったあと近くの水道で頭を洗っていたらふと自分の中の野生が目覚めた感じがした。この感覚はお遍路の時にも似たようなものがあったが、野生が目覚めると、人間、わりとどうにでもなる気がする。

文明が発達しすぎていて全く意識はできないものの、元々ホモサピエンスは狩猟民族だったのだ。そこの遺伝子は環境によって見えにくくなっているものの確実に残っているのだと思う。思えば資本主義もお金というツールを媒介した狩りのし合いといっても間違いではないと思う。

今日は満月だった。満月の日には数珠を清めてそこに溜まったものをリセットさせてあげた方がいいらしい。

縁起がいいとされている高野山の砂「土砂加持」で数珠を清め、コーヒーとタバコというOPコンボを堪能した後、テントの中で寝袋にくるまった。

【歩行距離】38キロ

【支出】すき家カレー600円、コーヒー120円 計720円

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【ふぉろーみー】