【徒歩日本一周】観光名所は、場所ではなく人だ【41,42日目】

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朝四時半くらいに車のエンジン音で目が覚める。テントから外を覗けば、案の定昨夜にかけて雨が降ったようだった。公民館の入り口ということもあり、ひとまずテントを撤収し始める。

撤収作業をしていると車から降りてきたおばちゃんに声をかけられる。何でもこの後5時から倫理の会的なサムシングが主催している朝の会みたいななにがしかを行うので良かったら参加して行かないかとのこと。

断る理由もないのですんなり参加することに。

結論から言えば1時間あったその朝の会の中で、日本一周の珍道中話を一人で2.30分ほど話すという僕の講演会のような会合になった。

朝の会終了後、少しの間お茶会があった。そこで出されていたお菓子など諸々をおばちゃん達が次々にビニール袋につめていく。結果的にバナナは10本近く、ゆで卵も6個ほど、その他大量のお菓子を頂き、歩くオランウータンと化した。

その後朝の会に出ていた一人の女性に近くの風呂屋まで連れて行って頂けることになった。風呂屋が開く10時にはまだ時間があった為それまで神栖周辺のガイドをしてもらう。

その女性がぜひ会わせたいという「大阪屋」という個人経営のコンビニのようでありながら葉巻から子供のおもちゃまで何でも売っている面白いお店に案内される。そのお店のお父さんを紹介して頂き、話を伺えば、一代でお店を築き上げた経営者だけあって面白い武勇伝を聞かせていただけた。 

 大阪屋さんで朝飯とデザートにクレープを買い太平洋を一望できる東屋でお母さんといっしょに食べることに。

しばらくすると先ほど朝の会で一緒だった女性が一人合流する。

この方が相当インパクトの強い女性で、端的に形容するなら「74歳の子供」みたいな方だった。常にちょこちょこ動いていて落ち着きがないばかりか、いわゆるマシンガントークというやつで、べしゃりが止まらない。良い意味でそれは子供のようであり、全身からほとばしるエネルギーを感じた。74歳にして僕よりエネルギーに満ち満ちていた。その女性は介護の仕事をしていたのだけれど、巷では3Kと言われている介護職を「こんなに楽しい仕事はない」と言う瞳は澄んでいた。「この人には勝てないな」と思う人には往々にして「愛嬌」がある。砕けて言えば「ちゃめっけ」だ。例によってこの女性もちゃめっけたっぷりで、話していると右脳が心地良い感じになってくる。

面白い人に出会えた。

お二人と別れた後「湯楽々」という風呂屋に入る。僕の写真を撮る代わりに入浴料をお接待して頂いた。ありがとうございます!

風呂上がりはやはり足が軽い。しばらく歩いて息栖神社に到着。

まだまだ歩けそうだったので鹿島神宮方面へ向かって、フェイスブックで教えて頂いた「だいせん」というお好み焼き屋に向かうことに。

国道沿いを延々と歩き続け、辺りが暗くなってきた頃に鹿嶋市に到着。看板が曲がっている。こわひ。

この辺りで肩に少し痛みが出て来ていたので、ザックの位置を調整しようと立ち止まっていると、不意に横に車が止まる。「大丈夫ですかー?」と中から女性の声がした。挨拶を交わし日本一周している旨を告げると「よかったら乗ります?」とのお誘いがあったので嬉々として受ける。

車中でなんやかんや会話をしていると「よかったらうち泊まってく?」という話になり、人との出会いを求めている僕はその善意を100%受け取ることにした。

――数十分後

幸せと言う他ない。

旅をしていると幸せの閾値が下がるという。「衣・食・住」の人間として当たり前の営みが当たり前ではなくなるからだ。日常が非日常になり、非日常が日常になる。

一方で、日常に飽きて非日常を求めたとしても、非日常が続けば、それも日常になってしまう。要はバランスが大事なんだと思う。

僕は野宿をしているからと言って貧乏礼賛をするつもりもなければ旅人だからと言ってミニマリスト礼賛をするつもりもない。それは個々人の生き方の問題だ。

お金を払って良いサービスを受ける幸せも知っている。ただ1つ大事なことは「足るを知る」ということを忘れないことだ。身体がもう十分だと言っているのに頭がそれを無視しないことだ。旅とはそのことを本質的に自分の血肉にするためにあるといっても過言ではないと思う。

――翌朝。

鹿島神宮を散策に行く。これで東国三社は制覇したことになる。怪我なく旅を続けられることを祈った。

境内でお話していたマダムお二人に茶屋でところてんとおでんをご馳走になる。ちなみにまたバナナ貰った。16本もバナナ抱えて歩くとか俺はオランウータンを通り越してゴリラか何かか。

鹿島神宮を後にし、昨日泊めて頂いたお母さんと合流する。知り合いだと言う近くのお蕎麦屋さんにお昼ごはんを食べに行くと、日本一周を応援したいということでお蕎麦をお接待して頂いた。ありがとうございます!!!

昼食後、荷物をまとめ家を出る。お家ありがとうございました!!!

その後、昨日お母さんに伺った「ターメル」というカフェ&バーに行くことに。なんでもここのマスターは青年海外協力隊としてアフリカのスーダンに2年程暮らしていたらしい。

観光名所なんかよりも観光名所になりうる「人」の方に興味がある僕は真っ先に会いに行くことにした。

ターメルにはゆっくりとした心地良い時間が流れていて、昼過ぎに到着して気付けば16時くらいまでもの間長居してしまった。色々な話をした。行けて良かった。出会えて良かった。

精神的に今日はもうお腹いっぱいだなぁと思っていたもののまだ出会いは続く。

ターメルを出発した後国道沿いを歩いていると、一台のカブが前に止まる。なんとその方はカブで日本一周をした経験のある旅の先輩だった。

「泊まるところ決まってないなら、うち泊まっていきますか?」という流れから、今日も初対面の方のお家にお呼ばれすることになった。

さすがご自身も旅人だっただけあって電源、飯、風呂、洗濯など一通り旅人が必要にしているものが分かっていた。

風呂を先に済ませ、晩酌が始まる。

人よりもちょっと変わっているかもしれない僕の今までの人生を面白がって頂き、このブログの「詳しすぎるプロフィール」の各ページを見ながら、僕がそれに解説を加えるという謎な飲み会を繰り広げていた。

先輩旅人のトミーさんが酔っ払って同じ事を10回くらい繰り返し始めた辺りから次第にお互い眠くなり、何故かアニメ版攻殻機動隊のタチコマの特攻シーンを男二人で静かに見た後、0時過ぎには床についた。

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