昨夜話した女性から、バイクの音が近づいてきたらそれヤンキー集団だからたむろされる前に撤収した方がいいよ!と軽く脅されていたのでビクビクしながら眠っていたが、幸い何事もなく朝を迎えることができた。
この辺りの人は早起きなのか5時くらいからウォーキングを始めている人がチラホラいたので、僕も迷惑にならないようにそそくさとテントを撤収する。
ブログを書き、朝8時ごろに出立し今日も歩き始める。館山方面へ一歩一歩進んでいくと山越えのルートに差し掛かった。近くにあった教習所のおっちゃんに道を教えてもらい、それに従い足を進めていくとちょっとした山道に差し掛かる。
途中、二股に別れる道があり頭を悩ませるも、自分の直感を信じて右に進んだところ、大いに道に迷う。近くにいた農家のおっちゃんに道を聞いたにも関わらず30分後、ぐるりと一周してまたここに戻ってくるというループものを経験して思わずビューティフルドリーマー!!と叫ぶ。
道に迷っていたら時刻は16:30になっていた。山は暗くなってからが早い。結局山越えは断念し、下の県道沿いを進むことにした。
なぜか既に紅葉しているモミジや
やたら階段が長い神社仏閣を巡り、
館山に向けて淡々と歩いていると、急に横に一台の車が止まる。
「――乗るか?」
「はいはいはいはい!!乗ります乗ります乗ります乗ります!!!」
即答だった。
この現象は何というのだろうか。自分から車を止めたわけではないので厳密にはヒッチハイクではない。向こうから一方的に止まってきたこの現象……
ナンパだ
そう、要はナンパにあったのだ。
車に乗ると、スキンヘッドに黒いサングラスをかけたライムスター宇多丸みたいなおっちゃんに「どこ行くんや?」と聞かれる。「館山の方です。」と答える。「さすがに館山までは行けねぇよ!笑」とおっちゃん。「いや、全然その方面の途中までで大丈夫です!」と僕。
そんなやり取りが続く最中、ハプニングは起きた。
「今日どこ泊まんだ?」
「あー、野宿です!」
「それなら家泊まるか?」
「!?!?!?!?」
――数分後
ぴゅろろろろろろろろろろろろろ!!!!!ぴゅろろろろろろろろろろろろ!!!!!
ぐぼぉおおおおおあああああとおおおおのふじこypw☆rpa□v
かくしてものの数分でお持ち帰りされた25歳尻軽男子と66歳のおっさんの、40歳差の宴が開かれた。
久しぶりに300mlの日本酒をあおりながらの宴はとても心地よいものだった。
色々な話をしているうちに時計はあっという間に23時を回り、布団に入った瞬間に、電気を消すのも忘れて眠りについていた。